• YORIKO制作スタッフ

完成披露上映会レポート③ 〜清山会さまとの出会い〜




短編映画「YORIKO-ヨリコ-」の制作過程でご縁があり、ご協賛いただいた企業さまがいらっしゃいます。


「清山会医療福祉グループ」さまです。


清山会医療福祉グループは「自立と共生の権理を尊ぶナラティブな関わりをめざす」ことを理念に、宮城県内に介護施設や診療所など78事業所を展開する医療福祉グループで、ひとりひとりの想いに耳を傾ける、地域密着・多機能複合型福祉を展開されています。

●websiteはこちら:https://www.izuminomori.jp/



*ここからは映画の内容の核に触れています。

視聴前に知りたくない方は、閲覧にご注意ください。

精神科医である代表の山崎英樹さまには、今作の「認知症」というテーマに対してのアドバイザーとしても関わっていただき、深い考察やアドバイスはもちろんのこと、この作品の届け方に悩んでいたわたしたちに「希望」を与えてくださいました。



上映会当日も、お忙しい合間を縫ってお越しいただき、今作を通じて感じた「認知症とコロナの本質」そして「蓄積された心の痛みを癒すには」など、心に深く刺さるありがたいお話を頂戴し、会場があたたかい拍手で包まれました。


上映会が終わって1週間が経っても、山崎代表からいただいた言葉がずっと頭から離れず、きっとこの言葉は会場にいらっしゃった方たちだけではなく、この時代に不安を抱えながら生きる全ての方々が受け取るべきお言葉だと思ったので、山崎代表に許可を取り、掲載させていただくことにしました。


以下山崎さまのご挨拶内容です。

*山崎代表に事後いただいた原稿を元に掲載しています。


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マチュ監督独特の、深みのある静かな映像をとおして、

私はヨリコが体験する不安や悲しみといった感情世界に、

自分自身が深く沈み込んでいくような感覚になりました。

認知症は、極端に言えば、なにもわからなくなる病気、と思われがちです。

しかし、この映画から教えられるのは、まったく逆の世界です。

視覚や聴覚を通して脳に入ってくる現実が、記憶の世界と錯綜するときに、

かえってむき出しになる人間の不安や悲しみ。

これは、いわば魂の疼き、スピリチュアルペインと言ってよいと思います。

このスピリチュアルなものに迫ろうとするマチュ監督の深い精神性と、

その精神性にシンクロした主演女優の小野寺さんの鬼気迫る迫真の演技が、

この短編映画に静かな重量感を与えていると思います。

もう一つ、指摘しておきたいのは、

この映画が認知症に通じるコロナの本質を突いている点です。

行きたいところに行けない、会いたい人に会えない、という体験。

しかもそれは、感染予防と言う、「善意の支配」によって正当化されています。

考えてみれば、3年にもなろうとするこうしたコロナの体験は、認知症という

試練に通じるところがあります。

認知症もコロナも、実は善意によって、人間が孤立の淵に追いやられる試練だからです。

それは、魂の疼き、スピリチュアルペインを引き起こします。

コロナの体験をとおして、私たちは、実はスピリチュアルな次元で認知症を

追体験しているとも言えます。

行きたいところに行けない、会いたい人に会えない、というコロナの時代。

私たちは、3年にもなろうとするコロナの試練を耐えながら、

実はスピリチュアルな痛みを密かに蓄積させているということにも

気づいておいた方がいいと思います。

そして、その痛みを癒すには、私たちは再び「人」と出会うことから

始めるしかないのだということ。


自らを抱きしめるヨリ子の、一人称の視線で貫かれた映像が、

ラストの娘の抱擁によって二人称の世界に解き放たれます。

そして流れるXmasソングに、私は、ふる里の秋祭りの穏やかな夜を思い出しました。

認知症とコロナという二重の試練を通して映画が象徴的に炙りだしたのは、

人間の魂の疼きと本当の癒しであったように、私は感じました。

マチュ監督とスタッフの皆さんに、感謝を込めて心からの拍手を送りたいと思います。

皆様のますますのご活躍を心から応援しています。


清山会医療福祉グループ 代表 山崎 英樹


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<山崎 英樹さま プロフィール>

昭和35年、岩手県大槌町出身。盛岡一高、東北大学医学部。

同大学病院、三枚橋病院(全開放の精神病院)、国立南花巻病院(神経科医長)を経て、平成11年仙台市に「いずみの杜診療所」を開設。

宮城県内で診療所や介護施設、精神科作業所などを運営する清山会医療福祉グループの代表。 医療法人社団清山会理事長、社会福祉法人すばる理事長、医療法人社団眞友会理事長。

宮城の認知症をともに考える会世話人、認知症当事者ネットワークみやぎ理事、認知症の人と家族の会宮城県支部顧問、みやぎ宅老連絡会監事、宮城県精神神経科診療所協会会長。認知症介護研究・研修仙台センター外部評価委員会委員。東北大学医学部臨床教授。日本精神神経学会指導医、日本老年精神医学会指導医、精神保健指定医、医学博士。精神保健福祉事業功労者厚生労働大臣表彰(令和3年)。




山崎代表のこのメッセージが、届くべき方々に、届くべきタイミングで、受け取っていただけますように。

山崎代表、そして清山会医療福祉グループの皆さま、本当にありがとうございました。

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